お祈りの時間
月形半分子


心も体もボロボロになったら
遠慮なく命ごと私を棄ててね神様
なんて出鱈目鱈目の嘘ぱち
私が全然潔くないのはいつものこと
お生憎様、気丈でもないの
私は弱くてみっともないわ

人はボロボ口になるまで生きるものだなんて
そんなボロボロ真っ平御免
だからもし私が本当にボロボ口になっても
ボロボロになるまで生きていられたら
きっとそれが本当の奇跡
私の一生で一番の有り得ない奇跡
私は私、私でしかないまま生きてきたから
これからもそうとしか生きられないにせよ
こうとしか生きられないにせよ
パシャリって
遠くで水音たてて魚が跳ねていくわ

額に口づけてくれる
お祈りの時間に遅れたけれど
鐘の音が響く空の下にみんないるから
あるようにあって
時々泣きたくなるのはあなたのせいよ


自由詩 お祈りの時間 Copyright 月形半分子 2014-07-20 03:08:42
notebook Home 戻る  過去 未来