アイボリー
船田 仰

言いかけてやめた、だって空白に値しない面倒くさい怠惰
かさかさの親指で丸め込んで
言いたいことはないと言いたいらしい君は
別に、綺麗でもない、
生きてるってほどでもない感じ
ひどいなぁ
とか、黒いコートなびかせて言うからやん
そんなんやからあんな風に
あったかい影みたいに


明日から最後のテストだという事実は
いつになったらもっと温度をあげるのだろう
予想では午前3時くらい
逆に全部終わったときに
息苦しかったりして、魚の気持ちになって、
いやーやめてー空気に溺れちゃうー、と、
いとおかし
カーテンを揺らす冬の風と根っこで繋がる
ポケットに手入れさせて
きみのせいじゃないけど
だからと言って太陽はひっくり返らない


学校の中を無数の足音が歩いている
飛ぶように足音だけが歩いている
やたらと乾いた、ここがはじっこならいいと思った。
廊下や道端に乗せられているわたしたちは
いつでも何気なく
これからを背負っているのだ
待たせてるのだ



悪いね、と今を装う。きみは遅れた。








自由詩 アイボリー Copyright 船田 仰 2005-01-24 18:03:57
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