そのあとがある
クローバー

掴みそこなった言葉の端っこを追いかけて
キーボードを滑る指の滑稽な動き
生まれたばかりの赤ん坊を
どう扱っていいのかわからずに
空中にひらひらとさせているのに似ている
あるいは未来を見つけるために水晶にかざした手のように
見えないことを悟られないように
うっかり触れてしまえば壊れてしまうんじゃないか
そんな空想が指に宿っている

次は、そ、だよ
そそそ、そら、ら、次は、ら、だね

空っぽな自分を自覚して
見渡すと
空気がぎゅっと詰まっている
証拠に、ほら
空は青い

夢を見る肉がすやすやと寝息をたてている
着陸するタイミングを失って
君の手のひらが
青い空を不安定に飛行している。


自由詩 そのあとがある Copyright クローバー 2014-06-25 23:34:34
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