小宇宙から流れくる
クローバー

星の根を聞いて空がゆっくりと微睡む
失われた時間が戻ることはないけれど
星の種がスクリーンに根を張っていく
切り刻むのは現象として見える結果で
無味無臭の意思を配置していくにすぎない
手を鳴らし歌う陽気な神様が
ふうと一息ついたから
小宇宙から流れくる表を歩く悲しみが
微笑み手を振っている
そんな夜を高速で飛行していく
振り落とされないようにしがみついている
命がこぼれて外に流れないように
天井を越えて
詐欺師は優しい顔をして近づく
けれど
喧嘩腰で近づく人とはお近づきになりたくはないな
そうでしょ神様
星が力強く根を張ってしまったから
夜に少しだけひびが入っている
夜に水をまいている悲しみは今日も静かに
どんなに夜が荒廃しても
悲しみだけはそばにいて。


自由詩 小宇宙から流れくる Copyright クローバー 2014-06-24 23:33:32
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