現代詩キラー
左屋百色

みなさん元気にしてますか?
ぼくはどうにか元気でやってます。
え?お前、誰だよって?
ちょっと待って下さいよぉ、
ぼくですよ、ぼく。現代詩です。
現代詩ですよ!
このまま世間に見向きもされないまま
そっと終わってゆくなんて
もうさテンション下がりまくりっすよ。
いや、ちょっと聞いて下さいって
たまには愚痴らせてよ。
ぼくだってね、がんばってるんすよ!
本屋さんの一番目立つ場所にさ
どーんと山積みされたいんですよ、
どうでもいいHowTo本とかにさ
負けたくないんすよ!
あ、後あれね名言集とかあるでしょ
社長とかスポーツ選手とかの名言集。
あんなの読んでどーすんのさ、
まぁね、そうは言っておきながら
ぼくも好きでついつい立ち読みとかさ
しちゃうけどさ、とにかくさ
みなさんが現代詩をばんばん買って
読んで広めてくれないとさ
このままじゃ本当にね、ぼくね、
やばいんだって!
もうさ、いつまで本屋の片隅で
肩身の狭い思いをさせんのさ、
てかさ、コーナーねぇよ!
ねぇーんだよ!コーナーがよ!
現代詩コーナーがねぇーんだよ!
え?言葉使いが悪いって?
怒ってるからね、はい。
ぼくは今ね怒っているんですよ!
あのね、
「折り紙入門」とか「英会話入門」とか
「はじめてのパソコン」とかさ
そんな本の隣りにだね、
とりあえずって感じで置かれているね、
ぼくの身になってみろよ!
もうね、自分で言うのも何だけどね、
面白いんですよ、ぼくは。
難しいとか読んでて疲れるとか
そんな事をだね、つべこべ言わずにだね
ちゃんと読んでほしいんですよ!
だからね、
(読めない漢字使って気取ってんじゃねぇ
(孤独なふりすんじゃねぇ
(とにかく暗いんだよ、お前は
とかさ、もうやめてくんないかな。
偏見ですから、ぼくね、面白いですから、
この前もね、友達の叙情詩とさ
お茶しに行った時にね
彼、嘆いてたよ。
もうお互い悩んでばっかり。
こんな事言うとさ、また誰かがさ
(悩んで文学気取ってんじゃねぇよ!
(かっこつけんじゃねぇよ!
(小説の方が面白いに決まってんだろ!
とか言って絡んでくるんだよね。
もう!
詩を書くのも読むのもさ、
照れてる場合じゃないよね。
ちょっと恥ずかしいとか時代遅れだよね。
ばんばん書いてさ、
ばんばん読んでさ、
現代詩コーナーつくってよ!
ぼくもさ、もっとがんばるよ!
ねぇ!
現代詩キラーのみなさん
今すぐ、ぼくを読み解いて下さい。
面白いですから!
本当にお願いしますよ。
あ、立ち読みは禁止ね。


自由詩 現代詩キラー Copyright 左屋百色 2014-06-11 22:55:41
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