餅アメ
藤鈴呼



あなたが 土産にと 
持って帰った りんご餅

弁当箱に 忍ばせて
お隣さんは かき餅サン

3連休が 終わる頃
明日の弁当 作りましょうと

包みを開いて 気が付いた
あなたは 静かに 言いました

嗚呼 気づかなかったんだねぇ
その台詞に 何だか しゅんとして

しゅんしゅん と 夜間に
ヤカンの湯けむり 見つめながらに
泣きました

南の地から 土産にと
持って帰った さくら餅

駄菓子屋サンで 菓子に塗れて
拾って頂戴 泣いていた

丸くて ちいちゃくて 可愛らしい
さくらんぼアメと 迷ったけれど

パッケージに 書いてあったの
さくら餅アメ

ちょっと 響きは 違うけど
ちょっと お味も 違うけど

ええい! と 目を閉じ ひったくり
いえ きちんと小銭は 払ったわ

飴菓子と 雨の昨日が 降り積もる
関東平野の 雪をも思う

もち米と 白あんで
オブラートに 包みました

あとは 桜葉シロップを ふっかけたら
完成 いたしますが

どうします? 一足先に
春 堪能 しておきますか?


自由詩 餅アメ Copyright 藤鈴呼 2014-05-30 19:26:23
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