宝石
吉岡ペペロ

ぼくは汚いこころで

宝石が他人の手で磨かれてゆくさまを思っていた

たぶんそれは

傷つかないための練習だ

なのに練習だけで

ぼくはからだじゅうを痛くしていた

たぶんそれは

もうこれ以上

こころに傷つく場所なんかないからだ


足も

背中も

お腹も

腕も


ぼくは汚いこころで

宝石が他人の手で磨かれてゆくさまを思っていた

たぶんそれは

傷つかないための練習だ

なのに練習だけで

ぼくはからだじゅうを痛くしていた

たぶんそれは

もうこれ以上

こころに傷つく場所なんかないからだ










自由詩 宝石 Copyright 吉岡ペペロ 2014-05-06 21:28:17
notebook Home 戻る