蛇の道は 藪蛇
藤鈴呼

分かって貰えぬ孤独を 考える時 
寂しさが 募って行きます

昨日の雨が 
今朝方から 雪に変わって

水物は 必ず 流されるとは
限らないのよ、と

釘を 刺されているような 面持で
眺める 縁側は とても長く

今年の干支で有る 蛇を
連想せざるを 得ないのです

車窓に映る 遠い町並みが
円形の 一部に思えた瞬間

地球の外側を 蜃気楼が 包むような
錯覚を 憶えました

今 走っている道は 世界の直径
真っ直ぐ 進むしか 許されぬ

この線路は 
スイッチバック しないのです

途中 小倉で 一度向きを 変える為
座席下のペダルを ちょんと押して
半回転 させますが

見詰める景色が 元に 戻るだけ

世界の大きさは 変わらず
細く 長く 伸びて生きます


自由詩 蛇の道は 藪蛇 Copyright 藤鈴呼 2014-04-19 17:08:53
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