東西循環
ゴースト(無月野青馬)

バスが
税務署
法務局
福祉センター
ガンセンター
サッカー場
運動公園
文化会館を
回っていく
僕たちの街にはこんなものしかないのかと
問うこともなく
僕たちは将来これらのセンターにお世話になるのだと
予言することもなく
淡々と、ぐるぐると
回っていく
夢見る頃を過ぎて
人は皆
何かしらの形になる
「それぞれの日常」に入水する
バスは
例外の1つで
特別な護符で守られているように
「日常」の中を
突き抜けて走行している
循環している
時々
走行中のバスや(もう1つの例外である)走行中の列車に
人が手を伸ばしてしまいたくなるのは
その護符に触りたくなるからだ
四季とか関係ない
年度末とか関係ない
特別な力
「日常」を縫うように
淡々と、ぐるぐると
バスは
回っていく
誰が乗っているのだろう
誰が運転しているのだろう
明日は
何台バスを見掛けるだろう
税務署、法務局、福祉センター、ガンセンター、サッカー場、運動公園、文化会館
こんなものしかない
僕たちの街で
どんな予言が聞こえるだろう





自由詩 東西循環 Copyright ゴースト(無月野青馬) 2014-04-09 15:22:05
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