三十億回目の春
そよ風

朝、目が覚めたら
春だった

君は知らないかもしれないけど
私たちは三十億年の昔から、
三十億回にわたって春をむかえている

そして、私たちの体は三十億回にわたって
内臓波動の生命記憶を繰り返している

だから君は目覚めた瞬間に
春が来たと知り

夜中の上野公園で
夏が終わったと泣き

セーヌ川沿いの散歩道で
冬の準備を始める

いつもそんな感じで
繰り返している

四季折節の“もの”に
内臓波動が共鳴する

はらわたの声が大脳皮質に
響き渡る




自由詩 三十億回目の春 Copyright そよ風 2014-03-30 19:45:44
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