(先生十生徒)x京都÷現代詩=PINK
左屋百色
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俺は問題をつくらなければならない。
冬が白く武装するから
何回でも潰して
問題をつくり続けなきゃなんねーの。
氷が溶けて季節が死ぬ
ひとつの色が死んでなくなる。
滑る階段で開封する遺書
(そうだ、京都で死のう
緑色の鉄ではどこへも行けない。
雨雲が俺を監察してやがる
きもちわる、
俺は自分の詩だけを何回もよむ
そういう病気になって
性欲を切り取って
時間を90分と決めて
ガラスのテーブルに嘘を並べ
外したネクタイで時間を結び
24時間で区切られた毎日から
さらに30分もらう
見えない窓の向こうでは
情緒のない飛行機の爆音きわっきわ
(そうだ、京都で死のう
注射針の先は東京を貫通して点滴の雨で
ビニール傘にぽつぽつ
意味のない雨音を奏でやがる
大人のために陽が上り
子供のために陽が沈む
(そうだ、京都で死のう
とうめいすぎてみつけられない。
みつけらんねーの。
なんで俺のちんこは一本しかねーのかな
両手は何回数えても同じ
指は十本もあるのに
問題だ
(ちんこ十まんこ)x京都÷現代詩=えっくす
俺はよ、死なない。
誰にも言うな、俺は死なない。
鳥がかたい雲に激突するのを見た夕方
俺の脳はピンクほとんどピンクだ
(そうだ、京都で会おう
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洋服はあんまり持ってない。
炎上した女子会に雨が降り
誰も死ななかった。傷つかなかった。
駅前の広場で詩を売っている子が
手首に貯金している
(そうだ、京都で死のう
春の風が首から入ってくる
電車は擦り付けて入ってくる
わー、
誰かの言葉が岩になって道を塞ぎ
次から次へと事故が起こる。
(そうだ、京都で死のう
わたしはあなたの詩に何を感じたのかな
ひとつの色がふえた
知らない季節が生まれた
鏡の上を割りながら歩いた。
(そうだ、京都で死のう
包帯いらない
隠す傷なんてない。
冬が白く武装しても見つけてあげる
新しい洋服ほしいな、優しい洋服
えろすぎる下着なんてわたし
似合わない宿題やらないケーキ三つ
食べてやる
調教された星を数えて計算してやる
でも答えは言わない。
えっくすは答えじゃないよ
ブランコの鎖が冷たくて
手を離したら夕暮れはピンクになった
こんな日を待っていたのかな
(そうだ、京都で会おう