午前三時の常識
もっぷ

だれも知らない思い出は
知られたくはない思い出とは違うけど
知らせたくはない思い出だと
ぼんやりと、
でも熱心に誓う自分は強いのだろうか
あらゆるやせ我慢でにんげん時間を
やり過ごしてついに、
また泣いているよわたし
君に聞いてほしいな
知らせるのはやっぱりきついんだけど
知ってほしいな君にだけは
(そして思いっきりと憐れんでほしい
午前三時の時計が常識を告げ
知ってほしがっているこの心の叫びに
いやでもどうでもふたをして
知らせたくはないんだと
自らを、切実を巧妙に操っている錯覚
知られたくないわけじゃない思い出はいつか
忘れられるわけもない
けれどとりあえずは抑え抑え抑え抑えて
どこかのサイトでだれかの独白でも読んでみる
そしてみつけてしまうんだ
毎夜毎夜とは言わないが
だれかの、
わたしのととてもよく似ている
やせ我慢とかなしみを傍観者として報告している
心やさしいひとの一篇



自由詩 午前三時の常識 Copyright もっぷ 2014-02-28 06:51:35
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