出来る女
藤鈴呼




「上司も部下も 親も男も みんなクズ」
其れが 彼女の 口癖

何時だったか しおらしく 項垂れる姿を 目撃したので
思い切って 聞いてみた

「どうか されたんですか」
それからの マシンガン口撃が 酷かった

何処かで 見付けた 丸まる蛹
葉の上に ちょこなんと 眠っている

そう思って 放置して ランチしていたら
逃げ出していて 焦った時と 同じような 驚き

貴女の 本来の姿を 一瞬だけ 忘れて
歩み寄りかけた 行動が 仇と鳴る 瞬間

それでも あなたは こう言うの

アタシが 出来る女だから イケナイの
もっと 可愛らしく 誰かに頼んだり 出来たらイイのに

中途半端に 力 失くしちゃっても 
動けるモンだから イケナイのね

嗚呼 やっているから 大丈夫なんだな って
楽観視 されちゃうの

そんな 落款 イラナイわ
あんな風に 丸まって いつまでも 眠りたい

彼女の指差す方向には カブトムシの 幼虫
ボクは 迷った

ヤツは未だ 起きているかも 知れませんゼ!
忠告すべきか 否か

田舎の一角で 大きな溜息を 吐いたら
幼虫は 吹き飛ばされて しまうだろうか

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自由詩 出来る女 Copyright 藤鈴呼 2014-01-23 19:26:27
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