バンコク
花形新次

客引きを振り切って
ビルに入った

エレベーターに乗って
3階に上った
扉が開くと
目の前に雛壇があって
女達が30人並んでいた
一斉に俺のことを見た

品定めしているのは
女達の方だった

帰りたかった
でも帰れなかった
負けたくないからではなかった
帰ってしまうには
外は暑すぎた


自由詩 バンコク Copyright 花形新次 2013-12-30 20:33:18
notebook Home 戻る