空のむこうへ
番田 


僕はなぜ生きる
若いときの問いかけが 浮かぶ
ノートに書かれた無意味な響きは
見えない 心の 落書きだ


僕は思い 旅立つ
伝えるべき思いを伝えようと
だけど その思いは 疲れ果てた 
鳥のように腕を組むだけ


僕は電車に乗り込むために
会社へ向かうだけのサラリーマン
一緒に向かう 寂しい人の群れと揺られている
目を閉じては空の曇りの色を確かめる


全ては 伝え方なのかもしれないな
弱さは 心のありようの何も伝えることもない
だから 女の人がいる 扉の向こうへと
手を伸ばしては寂しい手紙を書くのだろう


いつも若いときはそうだった
僕は鳥であろうと街を行く 幻へ
腕を振って走り続ける 子供
飛び回り 美しい羽を広げる


自由詩 空のむこうへ Copyright 番田  2013-10-26 16:49:55
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