少女
瑠依


 ふっくらとした頬の可愛らしい少女
 今はもう わたしの愛した 少女ではなくなった

 違和感 誤魔化して
 ああ かわい、頭撫でてきた

 少女 うっすら微笑んだ
 知らない人の笑い方 大人の女の笑い方

 少女は 帰ってきます と出て行った
 二度と帰ってきはしなかったけれど

 手の内に残るのは 小さなクマのぬいぐるみ
 少女はきっと 覚えてはいないようなもの

 わたしは 疎ましかったのだろうか
 そうだとしたら ごめんなさい

 少女の涙 はるか昔のものなのに
 色褪せず 胸締め付ける

 帰っておいでと いわないから
 ひとり 涙は零さないで

 知らぬ誰かの腕の中 
 そこが 安心できるなら

 綺麗な少女
 もう会うことはないだろう

 帰りを待ったりしないから
 どうか わたしを忘れないで

 僅かでも 愛してくれた その一瞬を


自由詩 少女 Copyright 瑠依 2013-10-20 20:33:03
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