L.A.B.編
由比良 倖


この孤独な心は
天使を求めている。
沈静された心には
何もかもが痛い。

死ぬときも今日みたいに痛いんだろうか?


何も付け足すものがなく
このまま死んでもいい

切るためだけに生きてきた
生きがいを失った。


巨大な生物が私の足跡を
次々と埋めていく
振り向くたびに整地された土地が
私に「死ね」と命じる。


私は今10万円を持っている。

とても とても 不便な気持ち。


きれい好きな悪魔さんがいましたので

そういうのは無しだよね?


私には好きな音楽がある。

それって不幸じゃない?
あなたたちに言ってるんだ。


このまま無抵抗に死んでいくのか。
世界が矛盾という優しさで、
私の傷付いた時間を奪っていく。


目をつむるといろんなものが見えるの。
例えばそれを綺麗だなって思うの。

目を覚ますと体が無いの。
それにしてもそれはあるはずで。
羽目を外しちゃったのね。


眠って、起きて。
私は一生「就職」というものをしないんだと思う。
他はどうなってもいいっていう時間があるから。

今世ではヌーディズムを展開して、
来世ではもっと純粋に

愛し合おう。

10
眠ろう。
バッハのパルティータを聴くよ。

おやすみ。

11
飲みかけのコーヒー。
吸いさしの煙草。
部屋の2割を酸素が占め、
突き立てられたシャーペン。
足が一本しかないコオロギ。

僕。
非常口。
その向こうにもまた、非常口。

12
虚無、不和、不快、私。
絶望。たいだ。堕落。
僕ゎここにいない。
退廃、欠落、泥濘。

血は止まった。
血は止まった。
私、じゃない。
私、は
ここにいない。

13
操り人形が欲しい。

切り刻んでしまうための。

14
人衆。
そういうものを楽しみたい。

ステージの上から。

15
IQを計ってみたいな。
105ぐらいはあるんじゃないかと思う。

16レクイエム
どこかにやつれた老婆がいて
乾いたミシンを踏んでいた。
止まり木には小鳥が一匹。
光は床の割れ目から発していた。
僕は風の吹くだだっ広い草原で、
クランベリージュースを売っていた。
蟻やてんとう虫やセミが
そのお客だった。
天井がとても低くなったので
上の世界には行けません。
空に手が届いてそれが紙きれだとわかったとき、
私はもう死んでたのですね。
壁一面が肉でした。
骨というものが
もうどこにも無い。
人生?
それはレクイエムでしょう?

17こんにちは平衡感覚さん
わたしはうす黒くましかくなノルマという
あれ
の中で
昔 いたかった
距離の はなし

ガラス の 底蓋で
開示できますか?

携帯電話の化石
泳ぐブルータル
デス・
メタル

ガラスの海へ
帰る
指先 から
呼応
したものは何であったか
ね。


自由詩 L.A.B.編 Copyright 由比良 倖 2013-10-11 02:58:18
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