リンネ氏の作品によせて
アラガイs


某サイトに投稿されたリンネ氏の作品「kは家に帰るまでの道のりを知っていたが」は、奇怪な読み物だ。しかし読み込めばおもしろい作品には違いないし、現代版草枕の冒頭を思わせてしまうようなユニークさを醸し出していて、サラリーマンを一度でも経験したことのある人ならこの倦怠感はきっと理解されるはずなのだが、残念ながら不思議とレスが上がらない。
まぁそれはそれとしても、
、で、?何がおもしろいかって?
…kは帰宅不全症候群である。そしてここに描かれている人物全員や事物のすべてが、k氏にとってその存在はあまりにも耐え難いのだ 。
その理由として、無自覚なまま忙しく機能する合理社会への矛盾と、気まずい人間関係が扱われている。ただ仕事人として機械のように存在すること、物語はそれ自体を唯一の存在理由として描き出し、あたりまえのように崩れ去る希薄な人間関係が周囲を覆う。次第に追い詰められてゆく日常。k氏にとって落ち着く居場所とは一体何処だろうか。その存在は非日常的な理由に姿を変えて現れはじめる。幻覚に怯える精神は次第に壊され、いつしか非日常の幻想が現実のものとなってみえてくるのだ。
その破綻に追い込まれてゆくK氏はいつしか自身にも問うのだろう。その存在理由を。
まるで怪物でも扱うようにコミカルなタッチで複雑な心理面が描かれている。
このユーモアは理解できるはずだ。
まだ読み込みが足りてはいないが、もう少し読み込めば発見されるおもしろさはもっとみえてくるだろう。

他所の場に置かれた作品である。
要らぬ心配などしたくもないのだか、気にかかる作品なので少しだけここに感想を載せてみた 。
※因みに作品文の掲載は権限がないので取り上げない 。
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散文(批評随筆小説等) リンネ氏の作品によせて Copyright アラガイs 2013-09-04 05:02:57
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