ジムノペディ
eyeneshanzelysee



焦げついた蜜
油照りの午後2時08分
萌えたぎるアロカシア
茹でられた風のカーヴ


(Lent et douloureux)
(:ゆっくりと苦しみをもって)
(Lent et douloureux)
(:ゆっくりと苦しみをもって)


湿気たたばこが
点火してけぶった
額から汗が吹きだした
悪趣味なメイド・イン・ヘヴン
サティの不調和音
絡まった腕と腕の隙間
空白は空白のまま
鳴るのだ


(Lent et triste)
(:ゆっくりと悲しみをこめて)
(Lent et triste)
(:ゆっくりと悲しみをこめて)


無数の空蝉が
足元の床に
3拍子のワルツ
サンキャッチャーが
ぐるぐると


ハート型に互いの尾を
接合させたまま
硬直した
2匹


GM7からDM7へと
白く薄く並べられる
テーブルは
埋まらない
たゆたう白熱灯


視界が滲む


(Lent et grave)
(:ゆっくりと荘重に)
(Lent et grave)
(:ゆっくりと荘重に)




自由詩 ジムノペディ Copyright eyeneshanzelysee 2013-08-12 00:54:10
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