ファイナルしあわせファンタジー7
あおば

                   130802

あのころはちょっと引き籠もりになっていましてね
名の知られた作家がぼそっと語る
今では引き籠もりも認知される時代になったと
ファンタジー好きな人は思うかもしれませんが
早とちりはいけません
一気に持ってゆかれます
引き籠もりは今でも嫌われる
面倒な奴だなぁーと
友人知人は考えるし
家族はこの先が不安だし
社会は、三年寝太郎の逸話を知らないのか効率の悪い奴だからと排除したがるし
なかなか認められないのですが、
偉くなってから隠遁生活すると尊敬されます
山の中の隠者なんて格好好いじゃありませんか
なんか不思議だねぇと生まれが貧しいものは口惜しいのですが
なかなか生まれ変わるのは難しくて
酷暑の中でもタクシーに乗りたいのにお金に全く余裕がないから、西日を浴びて
林檎の実を眺めた記憶を武器にひたすら彷徨きます
建物の陰を求めて彷徨くのです
この地点では経験値は何の役にも立ちません




初出 「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)
  http://anapai.com/tanpatsu/goru/
  タイトルは、夜中の紅茶さん



自由詩 ファイナルしあわせファンタジー7 Copyright あおば 2013-08-02 00:17:34
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