天使は川辺にて
あ。

それから、ぼくたちは
かくれんぼをした
十数えて目を開けて
探したけれどきみはいなくて


それなのに、例えば
ぼくの腰近くまで伸びた草だとか
時折何かがはねているせせらぎとか
どれもこれもがきみに見えて


幻だったのかもしれない
風を含んだ長い髪も
夕焼けを飲み込む深い流れも
夏、さえも


きれいだ、とても



自由詩 天使は川辺にて Copyright あ。 2013-05-30 13:33:48
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