夢見る人々に
ヒヤシンス


よく晴れた朝の林道を妻と歩く。
緑の香りに包まれて、小川のせせらぎに心が浮立ち、道端に咲く花たちは愛しい。
妻と二人、今にも心から溢れ出そうな幸せを静かに抑えて、少し離れてゆっくり歩く。
小川のせせらぎが二人の心に優しい。

緑の林道を抜けると、いまだ眠りの中にいる石畳の通りに出る。
両脇に店を連ねるその道は、妻のバージンロードとなり、先をゆく私は妻を待つ。
いつしか二人、腕を組み、小鳥たちのささやかな祝福を受ける。
いつものベーカリーはまだ開いていない。

未来はその大きな手を広げて、すべてのものの夢を待っている。
時には綺麗事と石を投げつけられるが、未来はすべてを甘受する。
あらゆるものの意志と行動が、未来の領域をさらに広げる。

さあ、歩こう。ゆっくりと。
すべての嘆きは時の中に溶けてゆくから。
私と妻と共にゆこう。すべてのものは未来永劫、見守られているのだから。


自由詩 夢見る人々に Copyright ヒヤシンス 2013-05-27 04:00:39
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