縁の糸 
服部 剛

針を手にした(無心の手)は 
今日も、布地を進みゆく 

長い間歩いて来た 
あなたと僕の足跡は、あの日  
布巾ふきんの遠い両端から始まり 
それぞれに縫われる糸のように 
浮かんでは、沈みながら―― 

そうして僕とあなたは 
熟した時に 
出逢うでしょう 

天の織り成す 
いちめんの布のような 
この世界の何処かで 









   


自由詩 縁の糸  Copyright 服部 剛 2013-05-06 19:10:59
notebook Home 戻る  過去 未来