ないものねだりをするように
茜井ことは


ないものねだりをするように
斜陽を写真に閉じ込める

ないものねだりをするように
野良猫に餌をやってみる

ないものねだりをするように
愛想を振りまき生きている

羨望や焦燥は
持てるものに気づいたならば
薄れていってくれるだろうか
この両の手には何も浮かばず
拳は汗しか握らない

ないものねだりをするように
昨夜の日記を読み返す



自由詩 ないものねだりをするように Copyright 茜井ことは 2013-04-29 13:28:03
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