ちっぽけな男
ただのみきや

あなたの涙で溺れる
わたしは蟻
ちっぽけな男だ
慰める術もなく
船乗りみたいに沈んでゆく

あなたは太陽を恋い慕う
蒼く 潤んだ惑星
わたしはせいぜいその取り巻きだ
自分の像も保てやしない
温める術もなく ただ
見つめるだけ

始めからじゃないさ
ただあなたが大きくなりすぎた
この心を埋め尽くし
息も絶え絶えなほど

そう
一度だって
話したことも
見交わしたことすらないのに


自由詩 ちっぽけな男 Copyright ただのみきや 2013-04-21 20:35:09
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