かきごおり
pur/cran

「おいちゃんまだかい」
少年と老父は夏祭り
 汚れた小銭を握り締め
暑さの中に清涼をと
 シロップ代を暴利に取られ
露天の親父に頼み込む

まだかい? まだかい?
待っているうちに溶けてゆく
それは思い出というもので
滑稽な光景を
 憧憬のように振り返る


自由詩 かきごおり Copyright pur/cran 2013-04-19 01:39:34
notebook Home 戻る