あざみ
藤鈴呼

チクリ チクリ
人の後ろから 
心を 射抜く 音がする

子供の頃 怖がった
あざみの花びら

美しいだけじゃあ
ダメなんだと
知った日

小さく 丸まって
押入れの中で
蹲って いれば
良かった

夜汽車が 通り過ぎて
ヨダレを 垂らしながら

幾時間も
眠って
ねむって

行く時間も
忘れて
わすれて

行方不明の ぷちぷち を
見つけられれば
それで 良かった

パチパチ と 跳ねる
例えば
フライパンの 中で
そして
手元で咲く
線香花火

まるで あざみ みたいだ

そんなセリフに
振り返る瞬間

何かが 弾けた

一瞬で 途切れてしまう
息を 吸って
吐き出す暇も
無い程に

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自由詩 あざみ Copyright 藤鈴呼 2013-04-15 18:48:40
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