穴ぼこの 心模様
藤鈴呼

浮遊する
幾つもの
所有物

空から
流れたのは


失くしてしまった
証拠など ないのに
寂しく 呟いては
涙 流した

倒れた 瞬間に
投げられた タオルも
ぐっしょりと 
濡れて

まるで
昨日の雨と
一緒だ

ずぶ濡れの わたくしが
美しいでしょう? と
何度も
自問自答を 重ねながら
八重咲の 花びらの
隙間を 埋めた 羽音を
憎々しげに 見やる

耳元で 呟くのなら
甘い 吐息
感じられるのに

知らぬ 角度で
存在するから
見詰めることも
叶わぬのでしょう

次の 木漏れ日は
何時ですか
穴だらけの 光では
わたくしの こころ 全ては
照らせますまい

それでも
穴ぼこの 心模様よりは
なんぼか 良いような
気もして いるのです

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自由詩 穴ぼこの 心模様 Copyright 藤鈴呼 2013-04-11 09:58:57
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