三月某日、雨の翌朝
あ。

飛ばされたまつげを探していたら
足元に春が落ちていた


あぜ道にはなずな
不規則に並び、ゆれる
隙間を縫うように細く流れる水、
昨日降った雨の名残だ


まだ小さな双葉にしずく、
その中にだって、
閉じ込められている


まつげは結局見つからなかったので
蹴飛ばしかけた春、を
少しちぎって持ち帰った


自由詩 三月某日、雨の翌朝 Copyright あ。 2013-03-19 13:04:31
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