耕運機のように
吉岡ペペロ

耕運機のように

ゆっくりと掘り返し積み重ね進んでいれば

あなたが悲しいとき

ぼくも悲しみ

疲れ

あなたの思うぼくになれたのかも知れない

でもぼくは耕運機じゃなかった

二人の未来を夢見

ただ急いでいた

ピンセットで慎重にことを運びながら

あなたより

少しでも元気でいようとしていたのだ


たいせつなものを捨てる

たいせつなことを捨てる

そうやって追い詰められてはじめて

たいせつなものやことが

一本の道のように見える


耕運機のように

ゆっくりと掘り返し積み重ね進んでいれば

あなたが悲しいとき

ぼくも悲しみ

疲れ

あなたの思うぼくになれたのかも知れない

でもぼくは耕運機じゃなかった

二人の未来を夢見

ただ急いでいた

ピンセットで慎重にことを運びながら

あなたより

少しでも元気でいようとしていたのだ









自由詩 耕運機のように Copyright 吉岡ペペロ 2013-03-14 20:08:54
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