オーバードース
ねこ歩き

ふてぶてしく また君は煙草を吸って
窓際で揺れる 鉛色の空に吐き捨てる

燃え尽きる寸前の くすんだ魂みたいな炎
煙たい匂いが僕の身体中を巻きつける

灰となって鏤められた屑を舐めながら
嘘を誤魔化す様に 君は睨みつけて言うんだ
「期待外れの毎日だね」って

やがて雨が降り出して
夜に溶けだした この部屋は
夜を誘い込んだ この部屋は
退屈な本能で埋め尽くされる

一線を越える為の凶器なら すぐ側に持っているんだろう?
視線を交わす度に狂気がさ 僕や君を挑発しているんだ
「まだか、まだか」って

やがて汗が滴り出して
奥に飛び込んだ この声が
奥で受け止めた その声が
鮮血と本望で染め上げられる

しらじらしく 今、君は煙草で焼いて
枕元近づく 同じ色の影に口づける


自由詩 オーバードース Copyright ねこ歩き 2013-03-13 21:29:27
notebook Home 戻る  過去 未来