コーラの泡が弾けてる
あおば

             130302



弾けてるコーラの瓶が
熱すぎて溶けかかった
プラ板の上へと涙を流す
腹立ち紛れに壊されたと
へたな芝居も終わると
砕け散るバイオリンの胴体の破片を拾い集めては夜中にこっそり修復して
朝になるといつもの陽気な音色を響かせて
小銭じゃらじゃら
帽子の中にも硝子瓶を隠してる
軽やかで涼しげな音が
ちゃりんと鳴ると
弦の切れかかったバイオリンの胴がぱりんと割れる
ニスの破片が宙に舞い
鈍い音に耐えきれない共演者達は弾くのを止めた
厳しすぎる今冬の環境に耐えられなかったのか
弾き手の力が強すぎたのか
興に乗り損ねる焦りが運ぶ
瓶ビールの憂いを知らぬ
泡が立っても酔わせない
コカコーラのはしゃいだ文字が揺れていく
プラスチックの哀しみと
後方注意の指導員の優しさが





初出 「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)
  http://anapai.com/tanpatsu/goru/
タイトルは、kauzakさん。






自由詩 コーラの泡が弾けてる Copyright あおば 2013-03-03 23:23:00
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