春の 陽炎
藤鈴呼

新型車両には
もっと サクラが 多そうな シーズン

愛でたい 花火 其れよりも
目出度い 花びら 集めたい

真冬の 向日葵は 
きっと 映えるのね

真冬に ヒマワリは
きっと 生えないけれど

真夏も ひまわりは
きっと 這えない

その方が イイ

はいつくばった 姿なんて
見たくは ないから

雪の 重さで
地上に Uターンしそうな 
幾つもの 杉たちが
幾重にも 折り重なって
空洞を 作る

自然の トンネルが 
目に痛い

心が 軋んで
それ以上
アクセルを 踏むことが
出来なかった

腐食しかけの 看板を見つけて
ドアを 開けると
鬱蒼とした ジャングル

本物よりは 頼り無いけれど
湿原帯に 出会えるなんてね

いつも 布団干しが 出来ないって
泡喰ってる 癖に

こんな 瞬間ばかりは
感動するんだ

まるで ゴージャス仕様の ソファーみたいな
サクラ シート

ぽわん と 座れば
ぷかん と 浮かぶよ 
良しなしごと
葦でも 踏んだ気になって
もうちょっと ほころびたい
春の 陽炎 追いながら

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自由詩 春の 陽炎 Copyright 藤鈴呼 2013-03-01 21:39:31
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