孤動グラデーション
komasen333

待ち合わせ時刻三十分前
集合場所の金時計前に着く
街の風を
人の色を
この肌とこの五感で味わいたくて

初夏が近づいてくる
淡く華やかな
ふんわりとしたファッションが多い
歩いていく一人一人
涼しげな空気を起こして
じっとりした梅雨 しばし忘れさせる

このまま
ずっと、ずっと
この場所で待ちわびながら
この人波をいつまでも眺めていたい
待ち合わせをするたび よく考える


どんな格好で来るのか
どんな表情で来るのか
行き交う同年代を眺めつつ
キミの今日を予測したり

どんな会話を展開するか
どんな喜びを展開するか
同年代のカップルを眺めつつ
今日のボクを予習する

会うまでのその時間
何よりもかけがえのない時間
この街に来てよかったと 深く想う

街の風が
人の色が
手を振る
キミを縁取るように
グラデーションを高鳴らせる


自由詩 孤動グラデーション Copyright komasen333 2013-02-15 18:22:47
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