雨に煙る校庭
yamadahifumi

  
 


私は小学校の校庭を思い出す

雨に煙るその校庭を・・・

その光景に、私は写っていない

その光景に初恋のあの子は写っていない

その光景に、一番怖かったあの先生は写っていない

でも、その校庭には雨が煙っている

誰もいないけれど、雨が煙っている

そこが取り壊されて、駐車場になった後も

その駐車場が雑居ビルになった後も

そこにはやっぱりその校庭があって

そして、そこにはやっぱり雨が煙っている

そして、私は少しの間

架空の小学生となって、そこで遊ぶのだ


自由詩 雨に煙る校庭 Copyright yamadahifumi 2013-02-13 02:13:03
notebook Home 戻る  過去 未来