不一致
佐藤真夏


一、

 

ひとつ、ふたつ

もっと

でたらめなものとして

 



わたしの

きみのわたしの

きみ

 

一列に重なり

 

二、

 

吐く息を白と呼ぶならば

黒板のうえに白はなくて

 

(架空に、さわりました

 

鍵穴から

初雪を観測する

 

三、

 

多目的室の戸締まりをすると

理由が蒸発してゆくのがわかります

 

このあたりのうそからは

、味のない水だけがはみだしてしまう

 

四、

 

ぼんやりとくるまいすを押し合いながら

渡り廊下を渡りきる朝

 

 

(連詩:Recent Report From First Complex 10)


自由詩 不一致 Copyright 佐藤真夏 2013-01-07 21:36:42
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