来年の背中
かんな


年のおわりを
君といっしょに過ごせること
しあわせにおもう

雪がちらちらと降る
ありきたりな景色を
窓枠で切り取ってみれば
君とふたり
素直なきもちで佇んでいられる

一年を振り返れば
垢のついたことだらけではあったけれど
鮮やかな色濃い出来事も
いくつか起こった

背伸びはしなくていい

私というにんげんが
君をあいしているという事象が
たいせつなことのよう

まっすぐにおもい続けることほど
むずかしいこともない
紆余曲折のなかで
君も私も互いを尊重することができている

現在という
わだちの型をなして
凍ってしまった道路を
ふたりで手を繋いで歩いていくこと
ときには転んでしまうこともある
互いに支え合いながら
ゆっくりと歩をすすめよう

風にまう
ポストに投函し損ねた年賀状に
ひとつおもいをこめると
来年の背中がみえる
今日この日





自由詩 来年の背中 Copyright かんな 2012-12-31 08:55:43
notebook Home 戻る