幻森
暗闇れもん

ドアを開けるとそこは青く燃える森

新緑が手招きする

音をたてずに消えるドア

風が吹き込み髪と遊ぶ

進む度に木々が芽吹く音がする

足跡から植物が生まれ枯れていく

手を触れた木々が
恥ずかしそうに木の葉を落とす

幹を流れる水音に寄り添うあなた

気づくとそこは夜の湖畔

水面に顔を近づけて

目を奪うのは人ならぬ者

蟲惑的な歌声を
聞かずにこの場を去れるかしら



自由詩 幻森 Copyright 暗闇れもん 2012-12-27 00:46:18
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