秋夜
暗闇れもん

寝ている頬にそっと触れる

夜風になって空を踊る

月の歌声に耳をすませて

胸に生まれた赤い蕾が
ようやく花ひらく

絡みつくように現れたトゲが
縛りつけ声も出せない

熱いしずくをこぼし
そっと唇をひらく

唇に飛び込む無数のトゲ

痛みより寂しいのはなぜだろう

遠くを夢見て眠る

トゲに寄り添い

長い雨を降らす


自由詩 秋夜 Copyright 暗闇れもん 2012-09-27 17:27:50
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