詩のこと
番田
詩を書いた
虚しすぎる言葉を書いていた
一つの詩を 人に 書くことが
明らかな意味をくれればと
僕は だから 今 書いた
書くことの意味を
なぜ 人は
自分を 隠すのだろう
僕は そして
聴こうとしていたコンサートの催される会場へ
歩いていった 長い六本木の地下道を
辞めるであろう日の会社のことを思いながら
そして 思い浮かべた 次の会社での仕事の日々を
何も 多分 変わらないのかもしれない だけど
僕の変わっていくのは 体と
赤い夕暮れの色の濃さだけ
期待に 僕は 応えられそうもない
思うのはいつも石像の心であることだけ