渦中にて
民次郎

嵐が来ると知らずの夜
一目惚れの自惚れは 
オドオドとコインランドリーに居た
蒲団が回っている
客はいない 入口に天糸瓜が植えてある
白々しい小屋 一時待つのもよいし他所へ行くのもよかろう
よかよかよかばい 自信とは父性の呼吸
注意書きには洗い方と禁止事項 
近くに海があることは知っている
車で行くことにした 
車道には猫の赤子がいた なんだか わからない

漆黒に目印を探す 波と街灯がある
ドカンドカンと桟橋に中る波
車中にネッタイシマカの亡霊が入る どうしようか 叫ぶ
叫び方は知っていた 忘れていました

生来困るといつも助けられる
教えて街灯 お願い波
なんだか いつもと違う 

嵐が来て夏
忘れていました ニヤニヤ
笑いかたは知っている

答えのイメージは赤子である
嵐のような赤子 
どうしていいかわからない時は手をあわせる
此岸の赤子に
荒々しい神の原型に ニヤニヤ ごにょごにょ
 
そら音壊乱
趨勢は斜に構えた走獣の赤子
ついぞ涙笑を知らず夏を繰り返す
どっこらしょ 
まだ来てない季節に席を用意
さあどうぞ こちらへ
 
 









自由詩 渦中にて Copyright 民次郎 2012-11-07 00:16:15
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