白い雨
ドクダミ五十号

切ない色の画用紙に 白い絵の具で 君を描く

絵の中だけに 輪郭が 薄らぼんやり していてね

色と色との その際に 刻み付けるに 似た線だ

やあやあ これが強調と 同じ意味持つ 紙巻の

煙草の先から 昇りゆく 紫帯びた 一筋の

手前にそれと 奥の白 重なり合うも 悲しげに

下書きも無く 上書きの 線の乱れも 甚だに

ジンクの白の 筆先を 舌で撫でれば くすぐりの

こそばゆ事に おかしみを 感じてクスと 笑う日は

白く糸弾く 秋の雨 降れば震えの 寒き冬

近づき来ると 予感させ 季節違えの 花の白

濡れてさめざめ 泣く様に うなだれ処るを 愛しげに

眺め居るのは 祈らぬの 神も佛も 降らせるか

利休鼠に染められの 我の心に 白い雨





自由詩 白い雨 Copyright ドクダミ五十号 2012-10-30 01:18:01
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