球形の、
ふう

 
空腹だけは真実だ 
R246、クラウンのシートにてやや傾く 
高架下の信号待ちでスパイラルカフェの 
ランチについて考えている 
急発進がサイドブレーキを促す 
再び加速 
する、欲望、 
標識顧みず、
車窓にのまれる 
草色のサラウンド 
旋回する車輪と果てのない咆哮 
目下3,000フィートのパノラマ 
ここは遥かサバンナだ 
たなびく空は陸続き 
狩りはとうに始まった
もはやタイヤもホイールもない 
それでも走る 
骨になるまで走り続ける






 

(曝された肉体に花
開かれた瞳孔に正しい姿なく 
花、摘む人 
その手に背き、疑うこともせず
人、葬る人、その生命を隠し、弔う花を 
理解する、)  
 
 

 
 
 
 
 

  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


自由詩 球形の、 Copyright ふう 2004-12-06 21:26:53
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