吾輩は鼠である
ドクダミ五十号

 先ほど猫が来た。取って食おうと言う訳だ。
「残念だな。貴君の思う様にはいかないよ」
おのれ!ちいさき身分で逃れられはしないぞ!
鼠の最大の利点は、特化していない事だ。
故に繁栄している。良く観察しなさい。
四肢は特殊化しておらず、人間に近い。
「鼠と俺を同様にするな!」
「こんなに愛しているのに、貴方は理解出来ないのね」
「理解とはなんだ!」
「ねずみですからいけないの?寸胴な女に惑わされたから?」
「そう言う意味じゃ無い。理と解の関係を君に尋ねているだけだ」
「いいわ、教えてあげる。ほら」
この鼠は、手に乗り指をしゃぶった。噛むものだと世間の常識は。


自由詩 吾輩は鼠である Copyright ドクダミ五十号 2012-05-10 11:09:35
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