黒髪

僕は怒れる男である
岩のようになって僕は怒る
何に対して怒っているかっていって、
ぼくは、この世の不条理に対して、死を含む不幸に対して、
生きることの、喜びを奪う者に対してである
僕の命は、赤赤と点って、涙を吹き出させる
人が愛しいから、憎むように仕向けるような、いたずらや、
僕自身のいたらなさぶりに対して、憤懣やるかたない
ダンゴムシのようにのろのろとした歩みである
そしてどこに行こうともしていない
僕は、この世の幸福な、あるいは不幸な人のように、
自分と他人を損なう自然的限定性に我慢がならないのである
神になって、あるいは不死の二次元の住民になって、
永遠の夢想の遊びに心傾けていたいのである
僕は怒る硬い岩
もう半分崩れかけたただの岩である
できれば僕の思考が、あの静かに湛えられた夜空に滑り込んで、チカチカと輝く星になって、長く時に耐えることを祈って──


自由詩Copyright 黒髪 2012-04-30 15:20:55
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