背骨
青土よし
背骨にきしりと
悲しみが
可愛らしい女の顔をした
悲しみが
のしかかる
重みに耐えかねた
か細い背骨は
粉々に砕け散り
鈍い光を放つ
黒いアスファルトの上で
ひらひらと
舞った
風が吹き
雨が降り
それでも背骨の破片は
溶けず
崩れず
人々に踏まれ
唾棄され
それでも背骨の破片は
泣かず
怒らず
沈黙を守っていた
自由詩
背骨
Copyright
青土よし
2012-03-29 05:00:59