あと5分で仕事に出かけなくちゃと思いながら書いてみる。
佐々宝砂

「論」っつーのはめんどうくさい。おいらいろいろ調べて書くんだぞ、詩人のことも調べるしさ、萩尾望都論書くにしても年代を追って並べてみたり比較したり変化をたどったり変化しないで繰り返しあらわれるものをたどったり、そーゆーのが論じゃー。と怒ったりすると、「そんなものは詩ではない」と怒る人と同レベルになりかねないので、怒ってはいけない。うん。怒らないぞ。私は最近丸いのだ。

今はものごとを調べるのが楽だ。インターネットがあるから。知らないで済ませることももちろん楽だ。世の中に知らなくていいものごとはたくさんある。考えないでいいものごともたくさんある。

だから私の仕事はそろそろ終わり♪なんて思ってみたりもするが、ふふ、私だってまだ生臭い人間なので、なかなか枯れてはやらないのである。

あと2分だなあ。

説教臭いことはいいたくないけど、説教じみてくる自分がいやだ。同じことを繰り返して言う自分がいやだ。私は進みたい。どこに進んだらいいいのかさっぱりわからないけど進みたい。昨日と同じことを繰り返すのはいやだ。でも繰り返す。昨日と同じことを、昨日とはすこし違う気持ちで、いくども繰り返す。いつかは成功するのかもしれないと思いながら、予測のつかない方向に少しずつ変化しながら、でも同じことを繰り返すことは変わらない。

煉獄だと思う。

というわけで仕事だ。爆裂に眠い。今日は昨日と同じ作業をする。しかし昨日と同じ結果が生じるわけではない。だけどやっぱり繰り返しは繰り返しで、そして、煉獄なのだと思う。


散文(批評随筆小説等) あと5分で仕事に出かけなくちゃと思いながら書いてみる。 Copyright 佐々宝砂 2004-12-03 05:35:24
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