もぬけの殻
四帰

 
うしろが気になりますか
踏まれてしまった背中など、見ないでおきましょう
臨むところが何処であれ、たどり着く場所は悩ましげなものばかりです
そんなに怯えずとも
暗く独占された空でさえ、明日を連れて訪れます
眠ってしまった夜のとなりで
黒い星が洗われるのを
息を潜めて 待っていればよいのです

暗いところにいると、眠りが押し寄せてきます
動かぬ餌を しめしめと ほら涎が垂れていますよ
寂然たる場所へいざなってくれるのなら おとなしく夢にさらわれてみましょうか
遠くに行ってしまった空の主は まだまだ帰ってきそうにありませんので

 



自由詩 もぬけの殻 Copyright 四帰 2012-03-10 00:23:59
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