緑、ほねぐみ
Six
神様への恨みその他
いろいろあって
昆虫に生まれ変わる夢をみた
キャベツの葉の巻き込みの下で
今とてもしあわせ
緑色の天蓋はともすれば
お祖母さんの匂いがする
そうだ多分
死んだお祖母さんは
生まれ変わって昆虫になったのだ
お祖母さんとの対話は
そんなに楽しいものでもなく
まあまあ退屈
主に両親のことを聞くので
元気にしてるよと答えてやる
昆虫になっても
キャベツの葉は甘く
自分で作った下手くそなロールキャベツと
だいたい同じ味
あれだって味は悪くなかったのだから
お祖母さんはわたしのこと
余り心配していないみたい
それは詰まらない
詰まらないから少し泣いてやった
でもしあわせなのならそれでもいいんでしょう?
いいけどもさ
目が覚めたら何をするの
洋服を着て会社に行くよ
ブラウスにアイロンがあたってないの
心配ごとってその程度
寝違えて首が痛くなるかも
脚が一本もげたわ
お祖母さんは蝶々になるのだと言う
緑色ってまぶしいよね
そうね朝だから
そうね