不思議な声ー法然と親鸞展にてー
服部 剛
上野の美術館内で
ガラスの内側に坐る法然上人は
時を越えて歩いて来た
旅人の私を待っていた
少し猫背に身を屈め
指のすき間から数珠を垂らし
700年前に描かれた
色の薄れた絵の中にいる
法然上人と目があう時
心の救いを密かに求めてやって来た
21世紀の旅人達の頭上から
人生の旅を
労
(
ねぎら
)
う不思議な声が
館内の何処からか囁いて
心の鏡に
木霊
(
こだま
)
した
自由詩
不思議な声ー法然と親鸞展にてー
Copyright
服部 剛
2011-12-12 22:51:07
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